ダウンロード違法化について思うこと (1):情報技術発展の足枷

こんなニュースがあった。

ついにP2Pソフトなどを使ったファイルのダウンロードの違法化決定 - GIGAZINE

詳細な内容は分からないけれど、ずっと議論されていたことからまあ推測はできる。要は、違法にデータとして公開された著作物があるとして、それをダウンロードすることも犯罪にしよう、ってことだろう。

これについて思うところがいくつかあるので、まとまらないかもしれないけど、少しずつ書いてみる。

ひとつめ。これは日本の情報技術の発展を阻害する、大きな足枷になるんじゃないか。(児童ポルノの単純所持処罰の問題と同じ。*1

「ネットからPCにデータをダウンロードする行為を違法行為とする」という考え方には、暗黙の前提がある。それは、その行為を人間が行なうってこと。なぜなら、対象データが違法にアップロードされた著作物であるかどうかは人間しか判断できない。いや、人間でも判断できない場合があるだろう。「情を知って」との条件がつくという話もあるが、それもやっぱり人間がダウンロードすることを仮定している。

でも、データをダウンロードするのは人間だけだろうか。というか、この先ずっと、人間が手でぷちぷちとクリックしてネットからデータを集めるなんて原始的な時代が続くと、みんな思ってるんだろうか。

そんなことあるはずがない。データ収集が自動化され、それがPCの中で知的に再構成され、自分に必要な情報を効率よく提示してくれる、なんて、技術的にはすでに視野内だ。

そこでダウンロードの違法化なんてしたら、犯罪の危険を犯してデータの自動収集をするか、自動収集を全くあきらめて法を守るか、どっちかしかない。多くの人は後者を選ぶだろうし、危険な研究開発なんて誰もしないだろう。

そしたら、日本はこういう法制のない国の技術発展の後塵を拝することにならないだろうか。