子供は、誰のものか?

ネット規制法案が姿を現し始めた。

osakana.factory - 日本の子供たちからインターネットが消える日

なぜこのような法案が、「自由」を党名に冠している党から出せるのか、まったく理解不能だ。この党の議員は、きっとミルもハイエクも全く読んでいないに違いない。「影響」「誘発」「恐れ」で表現を規制できるなら、表現の自由なんてお題目にすぎない。

青少年の健全な育成という理念は理解する。しかし、何が健全か(あるいは、何が有害か)は国が強制力を持って押しつけてはいけないものだ。それは道徳つまり価値観の範疇にある。個人には、自分の道徳や価値観に基づいて判断し行動する自由がある。判断が未熟な未成年にさえ、知識としてそれを得る自由がある。それを制限するのは、国ではなく、保護者たる親の役目だ。親が自分の子に全ての情報の閲覧を許すとき、国が情報の閲覧を(健全な育成を理由に)制限することに正当性はあるだろうか?

もし多くの親が、自分の子供が「有害情報」に触れることを恐れるばかりに、刑罰法規をもって情報規制を国に求めるなら、それを構わないと思っている親とその子の自由を不当に奪うことになる。人権人権とうるさい世の中で、こういう権利侵害が多数の人によって支持されるとしたら、やはり日本人の人権意識はおかしいと言わざるを得ない。(そしてこのような法案を出す政府や議員、政党は、人権について知らないか、故意に人権を制限しようとしているかのどちらかだ。)

「有害情報」を表現する自由も表現の自由のうちであり、「有害情報」を受け取ることを禁ずるのも検閲にあたる。これが分からない人は、表現の自由が何であるかを知らない。

とりあえず自由民主党は党名を「全体民主党」にでも変えた方が適切だと思うね。