社民党および福島みずほ氏と全体主義

社民党党首福島みずほ氏が以下の申し入れをしたと社民党の公式ウェブサイトにあった。

http://www5.sdp.or.jp/comment/2008/moushiire081001.htm

2008年10月1日
こんにゃくゼリーによる窒息死事故に関する緊急申し入れ

消費者行政担当大臣
野田聖子

社会民主党党首
                          福島みずほ

 国民生活センターは9月30日、兵庫県の1歳9カ月の男児こんにゃくゼリーをのどに詰まらせて死亡したと発表しました。95年以降、確認されているだけで17名もの貴重ないのちがこんにゃくゼリーによる窒息死事故により奪われてしまいました。

 これまで、こんにゃくゼリーによる窒息死事故が生じるたびに、被害者や消費者団体は、政府や企業に対して申し入れを行い、警鐘を鳴らしてきました。しかし、その都度、厚生労働省は「食品衛生法の対象外」、経産省は「消費生活用製品安全法の対象外」、日本農林規格(JAS)法所管の農林水産省は「表示の問題ではない」などと、いずれの省庁も現行の法体制では規制できないとして、警告表示などの製造・販売業者の自主的な取り組みに任されるなど、「すき間事案」のまま抜本的対策がとられることなく、今日に至っております。

 このまま行政の「すき間」を放置して貴重ないのちが失われるのを見過ごすことは許されません。

 社民党は、今後ともかかる行政の不作為による責任を厳しく追及するとともに、こんにゃくゼリーによる窒息死事故の再発防止に向けて下記の緊急対策を執られるよう、申し入れをいたします。

1.こんにゃくゼリーの製造・輸入・販売の即時禁止すること

2.学童保育所、幼稚園、保育園などの児童福祉施設、高齢者施設などで、子どもや高齢者などに提供しないことの周知徹底すること

3.製造・販売業者に対する自主回収の指導すること

4.消費者の視点に立った実効性のある消費庁の設置すること

以上

これにより社民党福島みずほ氏は全体主義を主張している。それは憲法前文の理念と反する。

こんにゃくゼリーの包装にはどう食べるべきかが明記されている。また、マスコミその他を通じて、こんにゃくゼリーをどう食べると危険かは広く知られている。これにより、こんにゃくゼリーを危険と思う人は避けるだろうし、よいものだと思う人は食べ方に気をつけて食べるだろう。また、こんにゃくゼリーを提供する企業は、それを求める人に幸せを与えることになる。

自由という考え方の目的には、人々が情報を交換して、一人一人がより幸せに生きるということが含まれている。そのための思想の自由であり、言論の自由である。よってここまでは、正しく自由の恩恵である。

しかし社民党福島みずほ氏は、上記1項(及び事実上3項)で、公権力の介入を要求した。これはすなわち、憲法前文にある「自由のもたらす恵沢」を公権力によって潰すことを是とするものである。したがって社民党および福島みずほ氏は基本的人権である個人の自由権を全体の都合で奪う全体主義を主張していることになる。

自由な社会では、個人が何も知らずにいることは許されない。何も知らずにいる者すら守ろうとするなら、それは必然的にその他の者の自由を奪い、全体主義社会となる。

まあ、全体主義だと本人(たち)は気づいていなくて、弱者を守るよいことをしていると思っているんだろう。社民党の理念には憲法前文とか自由と書いてあって、今回の申し入れがそれと矛盾していると思うのだが。もしかして何を民事で処理し、何を刑事とすべきかさえはっきりさせていないのではないか。一応関係者がこれを見てくれたときのために:第1、3項は削らないと貴党の理念に反しますよ。2項は是非やるべき。4項は大きな政府への道なので私は反対だけど、社会民主主義とやらではうれしいのかも。それはわからない。

しかし、これを野党の党首、しかも政権から遠い党の党首がやるってのがちょっと情けない。どう見たって現政権の権力を強化して、庶民の手を縛る申し入れなんだけど……私は全体主義政党に入れる票は持ち合わせていないなぁ。

言い回しがちょっときつかったので修正。